社長インタビュー

常に成長を続けている企業には
いい社員が育っている。
常に革新を続けている企業には
変革を楽しむトップがいる。


75年の歴史の中で培ってきた高い技術力やノウハウをさらに高めると同時に
人々のお役に立つ企業を目指し、人々の健康を支えるフィットネス事業の展開を独自の理念のもとに2007年よりスタート。2012年には3店舗目を辻堂にオープンさせ、大成功を収めている。すでに4店目の出店も計画され、今後の新たなビジネス領域への拡大を積極的に推し進めている。
筆者自身、人の森さんとは15年以上のお付き合いになるが、訪れる度に企業のクオリティが上がっていることを実感する。特に、ここ2.3年の変容、成長ぶりには目を見張るものがある。若い社員が、本当に生き生きと働いている姿は、実に清々しく、この会社の可能性を感じる。
この変化を先導しているのが加藤社長自身である。今回は、どんな話が飛び出すのか楽しみである。(文責・甲賀雅章)

 

社会の役に立つ、地域の役に立つ、人の役に立つ。
考え方や視点、つまりコンセプトを変えると
経営することが実に楽しく、面白くなってくる。

 私は、最初から会社を継ごうという気は、全くありませんでした。企業家になるよりも、社会を変える、日本を変えることに興味は向いていました。若気の至りで、日本をもっとよくするとか、社会を変えるとか、何か大きなことに挑戦したいと思っていました。今思うと顔から火が出るくらい恥ずかしいです。自分のことしか考えていませんでした。恥ずかしいぐらい小さな自分で、大切なことなど何も分かっていませんでした。
 
 自分の足元、自分の回りを良くすることができなければ、世の中を良くすることなんてできるはずがありません。そして自分一人ではなにもできません。周りの人すら幸せにできないで世の中に幸せをもたらすことなんてできるはずがありません。そして「お役に立つ」という考え方を持たなければ企業の存在意義がありません。
 
 そして、「お役に立つ」という考え方です。単に数値化利益(Profit)を追求するのではなく、企業活動を通して社会利益(Benefit)を提供していく。そういう見方をしていくと、企業経営も面白くなってくる。
 
 社名を考えた時、たくさんの社名案がプレゼンテーションされたんですが、勿論、横文字でも素晴らしい名前が幾つかありました。でも、何かひっかかるんです。随分、時間もかけましたし、悩みましたね。それが、ある段階で「人の森」という名前を見た時に、ぴ〜ンと来たのです。豊かな森が光合成を繰り返しながら、私たちの暮らしを守ってくれている。そんな、森のような存在に、企業もなれないだろうか。まさに、人のチカラによって社会のお役に立つ、これだと思いました!業界的には、驚きだったと思いますよ。使い慣れてくると、本当にいい社名だと、改めて思いますね。私の判断に間違いはなかったと。

 

人にとって一番大切なのは命です。
誰しもが健康的な生活を望んでいます。
そこで始めたのがフィットネス事業部です。

 企業活動の基本というのは、社会や人々が求め必要としていることを提供することだと思っています。ある時代は骨材で、そしてこれからは命の大切さが求められてくる。それを支えられるのは健康。フィットネス事業部を始めた最大の要因は、そこですね。誰もが健康になる権利は持っている。そして、誰もが幾つになっても望んでいることは美しさと健康です。そのお手伝いが出来たらいいなと。
 
 だからこそ、従来のフィットネスクラブにはない仕組みや機能を考えました。より多くの人に楽しんでもらえるような。骨材屋がフィットネスビジネス。最初は随分反対されましたし、誰も成功するとは思っていなかった。でも、それが二店、そして三店目がオープンしました。三店とも非常に経営状態が良いですし、お客様にも大変喜ばれています。すでに4店目の話もありますし、フィットネスクラブの次の形態、在り方も考えていきたい。
 
 とにかく、他と同じではダメです。真剣に、「人々が何を求め、何を必要とし、私たちに何が出来るのか?」を考えた上での事業化でなければなりません。

 

新しい農業の在り方を追求していくと
日本の未来も輝いてきます。

 勿論、マテリアル部門は継続していきますし、ここでも新たな在り方を考えていきたい。でも従来の成功体験にしがみついていたらダメですね。常に、未来を見据えて、今何をやるべきかを考えていかないと。高齢化社会を迎え、耕作放置地も増えている。畑仕事はきついですからね。当然、食料の自給率も下がってくる。
 
 2年ほど前から、新たなプラント農法について研究してきました。このプロジェクトを支えているのは、若いメンバーです。寝食を忘れて研究開発に没頭しています。何度も実験と改良を重ね、ようやく実用化の目処も立ってきました。これは、私たちが農業を始めるのではなく、今の日本が抱える社会課題を解決することが目的です。土地面積を有効に使い、軽度の労働で付加価値の高い果物や野菜を効率的に生産していく。この新しい農法の販売が私たちの新しい事業です。
 
 数年前までは農学を学んできた学生が社員になるなんて夢にも思わなかった。昔よりも確実に社内が面白くなってきている。様々な専門知識を持った若者達が人の森を支えている。これから何が起きていくのか楽しみですね。社員が楽しく仕事をしている企業の業績は悪くなりませんよ。


 

今ある事業も、物語りを再編集することで
違う展開になってくる。

 全く新たな事業を展開することも必要ですが、今まで展開してきた事業を違う角度から見てみる。或いは、過去の経験や仕組みに囚われることなく、創造的に新たな価値を見出してみる。ここは、変に成功体験を持ってしまっている私たちよりも、若い世代の柔らかな感性が必要かも知れませんね。
 
 例えば、地下水を安全な飲料水に変える「地下水膜ろ過システム」の導入を事業として展開し、多くの実績も上げているのですが、納入後の達成目標や納入先を違う方向に考えるだけでも、事業の在り方、意味が変わってくる。そこから技術革新も起こっていく。同じシステムが、現在の主要納品先である病院やショッピングセンターとは違うマーケットに入っていく。或いは、課題解決も、もっと社会的広がりを見せていく可能性がある。過去にしがみつかなければ、私たちに出来ることも、やっていきたいことも限りなく広がっていきます。

 

若者は、もっと自由に
自己表現すればいいと思います。
それが出来る土壌を作り、栄養素を与えていくことも
企業の大きな役割です。

 新しい事業を考え、実行するには、新しい発想が出来る人材と新しいことを受け入れる社内の雰囲気が必要だと思います。人材に求めるのは、続けられる能力と変われる能力を兼ね備えることですね。「社員自らがやりたいことを支援していくことも、企業の役割だと思っています。他を頼り、人をあてにしていては、事は進まない。自らの力で、自らの足で歩いてからこそ他の共鳴が得られ、知恵も力も集まって良き成果がもたらせられる。」私は、いつもそう思っていますし、自分もそうありたいと願っています。若い世代を育てていくことも、企業の役割だと思います。人材こそ、企業の、いや社会の宝ですからね。